子供たちは素直に演武しますので、その支部の気質、特徴がもろに現れます。型の演武は、各支部によって柔らかそうにみえる型、固そうに見える型、根本は同じだと思いますが私の目には違う型にみえてしまいます。型を演武するとき、その人の心が表現されると思います。従って、柔らかい型、固い型、大きい型、小さな型、立ちの低い型、高い型と違いがあっても、また、力の強弱、体の伸縮、技の緩急の手法がそれぞれ違っていても、その人の思いが入っていて、その人の人生を感じさせるような演武であれば良いと思います。ただし、基本技を大切にし、正しい形、姿勢で何度も何度も正確に稽古しなければ、本当に利く突き、蹴りが生まれません。
完全に自分のものになったときから、自分なりの工夫が始まっても良いと思います。書道家が基本をマスターした後、絵のような文字を書いていますが、素人が見た時、何と読むのかわからない文字でも、なんとも美しく、うっとりするようなことがあります。それと同じで、基本をマスターした後は、自分なりに、どこにもスキなく、誰が見てもはっとさせられるような形になれば、多少崩しても良いと思います。しかし、それをそのまま子供たちに教えるのは大変危険だと思いますので、子供たちにはあくまでも基本どおり、低い姿勢で、しっかり突き、しっかり蹴ることを教えようと思います。
現在の制定型は、太極初段、平安初段、平安二段、平安三段、平安四段、平安五段、鉄騎初段、鉄騎二段、鉄騎参段、抜塞大、抜塞小、観空大、観空小、半月、燕飛、岩鶴、十手、慈恩、明鏡となっています。段を取得する上で必要な型は、太極初段(白帯全員)、平安の型の中から一つと、鉄騎初段(黒帯取得時)です。